映画:「生きる」黒澤明 とスティーブジョブズ

人は、「死」を眼前にぶら下げられた時、本当の意味で生きはじめる、ことがある。

 

今回は、かの有名な黒澤明監督の「生きる」を視聴しました。

私は黒澤明監督のファンでもなんでもなく、「リーダーシップの旅」に書いてあったので、一丁観てみるか!ということで見始めたところ、役者さんの真に迫る演技に圧倒され、一気見してしまいました。

主演の志村さんは、お役所の市民課長としてのハンコマシーンから真の意味で人生を生きる人間に生まれ変わるという、

180度違う人間性の変化というものをまさに演じ切っていました。

 

「どうやったらあなたのように生き生きと生きられるんだ!!?」

「課長さんも、何か作ってみたら?私、このお人形を作っていたら、日本中の赤ん坊とお友達になった気分だわ。市民課長さんには、難しいかもしれないけれど」

「やれないこともない。とにかくやってみよう」

 

「そこをなんとか、なんとか、お願いします」

「私には、時間がないんだ」

 

 

かの有名なスティーブ・ジョブズ氏は、2005年のスタンフォード大学のスピーチでこう言いました。

「もうすぐ死ぬ」と覚悟することは、人生で大きな決断を下す際に、もっとも強力なツールとして機能するんだ。

なぜなら、外からの期待や、自身のプライド、失敗や恥をかくかもしれないという気持ちは、死を前にしては何の意味も持たないからだ。もっとも大切なものだけが、そこに残る。

死に近づいているということに自覚的になることは、何かを失うかもしれない、と恐れる気持ちを捨て去るのに、もっとも有効だ。

あなたは、すでに開かれている。

自分の心、気持ちに従わない理由がどこにあろうか?

Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life. Because almost everything - all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure - these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important. Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart.

 

人は、自分が死に近づいていることに、あまりに無自覚すぎる。

私自身も、そうだと思う。

死ぬ日がわかっていたら、本気出して人生生きるのにな、って思っているけど、

今、いったいどのくらいの人生を生きるつもりの生き方をしているのだろうか?

死を前にすると、死の圧力に身ぐるみ剥がされて、心からの気持ちが出てくるのは確かで、

そんな、命に指がかかった気がした健康診断話は、また後日。

この日から、「もっと人生を、真の意味で生きてみよう」と思ったのも事実。

 

黒澤明監督も、ジョブズ氏も、「死」を前にして初めて人間の本性が現れることを教えてくれている。

 

一体、どのくらいの人生を生きたいんだろう?

そんな気持ちにさせられる2時間半でした。

 

 

生きる

生きる

  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Prime Video